シルヴィー・ギエム(Sylvie Guillem)、
初めて彼女を観た時の衝撃は、今でも
忘れられません。白鳥の湖
凄い「白鳥」であり「黒鳥」でした。
それから、何度も生の彼女を観ることが
できたのは、とても幸せなこと。自由自在と
いっても良い程の関節の開き、筋肉の
しなやかさと鍛錬。
彼女は、マドモアゼル・ノンとも呼ばれて
きました。
「人の言う通りに生きるのだったら、それは
人の人生で自分のじゃないわ。私は自分の
人生を生きたい。だから自分で決める」
厳格なことは嫌いだったから、オペラ座の
学校のレッスンも嫌いだった。でも、
ステージに初めて上がったときの感動が
全てを変えたと。
そして、19歳でエトワールに。
ヌレエフは、若くてモチベーションの
高かった彼女の才能を、早くから
様々な経験をさせて、時間をムダに
使うことをしなかったと。
「ヌレエフが訊いたわ。『(ステージに
上がるのが)怖くないか?』と。
『怖いわ』と答えたら、彼が、
『これから増々怖くなるからね』と
返したのよ。でも、ステージに上がると
全てが変わる」
世界中から客演のオファーがあるのに、
やりたいことが出来なかった
オペラ座のエトワールの座を
捨てて、ロイヤルバレエのゲスト
プリンシパルに。色々、一筋縄では
行かなかったようだけれども、彼女の
ダンサーとしてのユニークさ、能力は
認めざるを得なかったよう。(この動画で
も紹介されているマクミランのマノンは
本当に素晴らしい!)
ダンサーとしてだけではなく、環境保護に
関しても積極的。シーシェパードを支援し、
セネガルにも行く。
若い頃の彼女の姿も少し紹介されている
このBBCの番組のタイトルは、Force of Nature
(自然の力)日本語字幕はないけれど、画像だけでも
彼女の凄さが伝わるのではないでしょうか?
彼女の踊ったものの中でも、かなり水準の高い
ものが選ばれているような感があります。
来年、引退するそうです。
でも、このBBCの番組の最後で語る彼女の
言葉、「下降しているのかもしれないけど、
それは次に上昇するためのスプリングボード」
は、力強い

彼女は、特別。100年に一度のダンサーだから、
と言えるかもしれない。
確かに100年に一度の体型や身体能力を
持って生まれたかもしれません。ただ、
それを、どう活かすか?自分はどうありたいか?
に全力を尽くす態度は自分自身で習得し続けて
きた、その行動には学べるものがあるのでは
ないでしょうか?
大きな目標のために、自分の毎日はどう
あるべきか?を問い、トコトンやるパワーが
才能をここまで大きく花開かせることに
なったのではないでしょうか?
兎に角、美しくそしてパワフル。
熱いパワーを貰いました
