2012年02月08日

指揮者のリーダーシップ



オーケストラと指揮者の関係は、近年(といっても、
もう結構前からですが)、段々とフラットになっていく組織と
リーダーのあり方をよく示す例として挙げられていますが、
Youtubeで見つけたマエストロ・カラヤンとその弟子のひとり
であり、巨匠となった小沢征爾さんの対談でとっても良く語ら
れています。これはなんと30年経った今、こうして映像を
通して学ぶことができるって幸せです。

指揮者の仕事は、私たちが実際に本番で聴くときにその多くが
なされているのではなく、その前に殆どのことは終わっている。
そして、そこに行くまでの力が素質、テクニック、経験等で磨
かれていくのだということが、この映像、ともう一つ
マエストロ・カラヤンのリハーサルぶりを収めた動画で
とてもよく解ります。

マエストロ・カラヤンは、自分が乗馬の先生に言われたことを
ストーリーとして語ることもしています-----乗馬でも、
自分が馬を持ち上げてジャンプするのではなく、馬が自分を
乗せたままジャンプする。。。馬が塀のところまできたら、
すべてを馬にまかせてじゃまをしない。。。ジャンプも感じ
ないようにしろ。。。そうすれば。。。気がついた時には塀の
向こう側にいる。。。と



字幕の一部をご紹介:(K:カラヤン、O:小澤)

K「『楽団が動きだしたらじゃまするな。楽団自体でできる
のだから』とね」

O「そうすると先生の指揮はオーケストラの一人一人に今なに
をやっているのかを聞かせることにあるのでしょうね。」

K「生涯を通じて、指揮者であろうと、大統領であろうと自分の
考え方を示してやることが大切なのです。自分で全部やることは
不可能です。指揮も全く同じですよ。それぞれの仕事を分配して
指揮者は各人がいかに自分の仕事を遂行しているかを知っておく
ことが大切なわけです。まあこのことはむずかしいですけれど
もね。時間もかかりますよ。」

O「『はじめのリハーサルではめいっぱい指揮をしてもいいが、
コンサートの時には、奏者たちにやってもらいなさい』と
おっしゃいました。」

K「私たちもこうなるには15年も20年もかかっています。」

O「先生はオーケストラにまかせていました。もちろん先生は
テンポはあたえていらっしゃいましたが。そしてオーケストラ
全員がお互いにききあっていました。」

小澤さん、もうすぐ46歳の時のもの。若いです。


そしてマエストロ・カラヤンのシューマン交響曲第4番の
リハーサル風景(他のプロフェッショナルからのコメントとともに)



最近のコンサートで小澤さんが体調不良(これまでにない、
立ち上がれないほどの疲労)で急に降板した時に、吉田秀和
さんの会場での説明の中に、「演奏家のみなさんにどうする
かと聞いたら『小澤さんがこれだけ頑張ってきたのだから
自分たちは演奏する』と全員が言ってくれた」という部分が
あったそうです。彼らには小澤さんがやりたいことを表現
したい、その思いがとてもとても強かったし、それができ
るという確信もあったのではないでしょうか?

小澤さんが回復されて、新たな境地で指揮者としての
リーダーシップを発揮され、素晴らしい音楽の創造をされ
ることを真に願っています黒ハート
posted by mitsuko at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーシップ
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